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え?本当?!歯磨き粉がインフルエンザの発生率を下げる?

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こる感染症で、例年12月頃から翌年の2月頃まで流行します。子供は風邪にかかっても元気なことが多いものですが、インフルエンザの場合は急に高熱が出たり、身体の節々が痛くなるといった特徴や重症化することから、他の感染症とは別に扱われます。
実は近年、インフルエンザの感染予防として、口腔ケアがとても重要視されています。
その背景には、口腔内細菌が出す「ノイラミニダーゼ(NA)」という酵素が関係しており、この酵素を介してインフルエンザウイルスを増殖させています。ウイルスの増殖を防ぐためには、口腔内細菌を減らすこと、つまり、口腔内を清潔に保つ必要があります。感染予防のための口腔ケアにはご自身で行うセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアがあります。

適切な歯みがきと口腔ケアでインフルエンザを予防

歯みがきや口腔ケアをおろそかにしていると、むし歯や歯周病の原因となる菌が増殖してプラーク(歯垢)となることはよく知られています。このプラークには、気管支炎や肺炎などの発症や重症化にかかわる肺炎球菌やインフルエンザ菌のほか、重篤な感染症の原因となる黄色ブドウ球菌、緑膿菌、セラチア菌などの細菌も含まれているとみられます。

これらの細菌はプロテアーゼと呼ばれる酵素を出し、インフルエンザウイルスが気道の粘膜から細胞に侵入しやすくする特性をもっています。つまり、お口の中を不潔な状態にしておくとプロテアーゼの量が増え、インフルエンザの発症や重症化を招きやすくなるというわけです。

適切なケアでインフルエンザの発症率が10分の1に

実際、歯科衛生士による口腔ケアを受けた人のインフルエンザの発症率が、本人や介護者だけから口腔ケアを受けた人の10分の1になったとの報告があります。

日本大学歯学部細菌学口座/総合歯学研究所 生体防御部門より引用


歯科衛生士による口腔ケアを実施したグループでは、ご自分で口腔ケアをしたグループに比べ口腔内の細菌数が減り、プロテアーゼとノイラミニダーゼのはたらきが低下していることがわかっています。ただ、忙しい現代では定期的に歯医者さんへ行くことが難しい方も多いでしょう。近年、コロナウイルスなど感染症の予防のためにも、口腔内を清潔に保つことは大切です。毎日の歯磨きで健康管理。コツコツ続けたいですね。