COLUMN
歯周病と全身疾患 (1)脳血管疾患
脳血管疾患は日本人の死因に多い病気の一つ
脳血管疾患は、日本人の死因第 4 位です(平成 27 年 厚生労働省 人口動態統計)。中でも脳梗塞は、脳血管疾患
の中でも死亡率が高く、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病により発症リスクが高まります。
「脳梗塞」は、脳内の血管が細くなったり、血液が固まってできた血栓により 脳の血管が詰まってしまい、血液の流れが止まるために発生する症状 です。 脳の血管が詰まったり破れると、脳に血液が行き届かなくなり、酸素が不足し、栄養不足になります。 この状態が続けば、脳細胞(神経細胞)が壊死してしまい、様々な障害が生じます。特に、麻痺が残ると日常生活にも支障が出ます。
歯周病と脳血管疾患の関係
歯周病原細菌は、血液の流れに入り込んで血液の凝固を起こし、血液の流れを阻害します。これが動脈硬化の原因の一つとなります。
歯周病が重症なほど、歯周病原細菌は容易に血液の流れに入り込みやすくなります。また、脳梗塞発症後の合併症によって運動障害を起こすと、麻痺や筋力の低下により歯磨きが難しくなり、逆に歯周病の原因、症状悪化を招きます。
血管にダメージを与える歯周病菌は、血液を介して全身運ばれ、様々な臓器に悪影響を与えます。
歯周病と全身疾患の関係
・心臓疾患
・脳血管疾患
・糖尿病
・骨粗鬆症
・消化器系のがん
・誤嚥性肺炎
・早産と低出世体重時
・メタボリックシンドローム
健口から健幸を追求する私たちの考え方は、「歯は痛くなってから治療する」のではなく、「歯が痛くならないように予防する」ことが重要だと考えます。
■歯を「みがいている」ことと、「みがけている」は違う!
私たちの「食べられるしあわせ」は生きている幸せと直結します。そのために普段から歯周病にならないようなお口の中のメンテナンス「口腔ケア」に注目して、口の中の衛生管理を実践していくことがなによりも重要です。